銀行業界の将来性と雇用安定性
かつては、銀行員は安定した職業であると考えられてきました。しかし、金融ビッグバンや金融不祖事件の影響もあり、雇用環境は変化しています。
確かに大手行では引き続き雇用が安定している側面もありますが、一方で、統廃合で職を失う可能性もでてきています。銀行業界は成熟期にさしかかっており、今後は人員整理が進むリストラが避けられない状況でしょう。
銀行員の給与と手当て
銀行員の給与水準は、一般的に高い方ではありますが、最近の若手行員の実情を見ると、それほど恵まれているとは言えません。
営業職の場合は、営業手当などの諸手当がつきますが、営業目標達成が難しく、所得アップが見込めないのが実情です。一方、本部職では、手当がそれほどつかず、ベースアップも望めない状況にあります。
労働時間と残業の実態
銀行員の長時間労働問題は深刻です。平均残業時間は月100時間を超える事例も少なくありません。
残業代の支払い制度がない銀行も多く、そのため、割増賃金もありません。また、有休取得が難しい職場環境にあり、ワークライフバランスが保てない状況が続いています。さらに、システム障害時には、深夜までの対応を求められることもあります。
銀行員を辞める5つの理由
やりがいを感じられない
銀行員という仕事には、やりがいを感じにくい面があります。ルーチン化された業務に携わる機会が多く、モノづくりをする喜びに乏しいためです。お客様への窓口応対では、クレームの対応に追われることも少なくありません。
また、営業職の場合は、ノルマ達成ストレスから、プレッシャーに押しつぶされそうな状況に陥るケースもよくあります。
ストレスが過剰にたまる
銀行員の業務は、様々なストレスが潜んでいます。厳しい営業目標の達成、クレーム対応の緊張感、深夜までのシステムトラブル対応など、過酷な労働環境に置かれています。
ストレスをためこむと、精神的にも肉体的にもダメージを受けやすくなります。アルコール依存症や鬱病に陥ってしまう人もいるほどです。
働き方改革の遅れ
銀行業界では、働き方改革が他業界に比べ遅れています。長時間残業が当たり前の銀行が多く、有給休暇の取得も難しいのが実情です。
時間外労働の上限規制にも同意しないケースも散見されます。こうした状況下で、仕事とプライベートの両立が困難になっています。
昇進・昇給への不満
銀行員として長年勤めても、なかなか昇進・昇給できない現状があります。年功序列の風土が強く、実力主義が根付いていないためです。
また、人事評価が非公開であり、納得性に欠ける人事施策が続いています。さらに、転勤が避けられない銀行員の仕事柄、家族の理解が得られず、キャリアアップが阻害されることもあります。
転職機会の減少
若手のうちは、他業界への転職機会はあるものの、年齢が高くなるほど、転職が難しくなる傾向にあります。銀行員の経験を活かしづらい分野が多いことや、銀行ならではの習慣が身に付いてしまい、他社で活躍するのが難しくなるためです。
特に管理職になると、転職口は狭くなり、銀行業界に縛り付けられてしまう恐れがあります。
銀行員の転職に向けた準備
スキルの棚卸しと転職先の選定
転職を考える上で、まずは自分が持つスキルを棚卸しすることが重要です。銀行員としての経験から得たスキル、それ以外の資格や経験などを冷静に見直し、評価することから始めましょう。
次に、それらのスキルを活かせる転職先を選定していきます。スキルに合う業界・企業をリストアップし、情報収集を徹底的に行う必要があります。
履歴書の書き方
転職を決意したら、履歴書の作成が欠かせません。職務経歴の記載では、銀行業務での勤務内容を分かりやすく説明することが大切です。
数値や実績を示すと説得力がでますし、具体的な成果を示すと自分のスキルが伝わります。書類選考を通過できるよう、履歴書の重要性を認識しましょう。
面接対策
面接では、志望動機や自己PRが問われます。なぜ銀行員から転職したいのか、しっかり腹を決めた上で理由を説明できるよう準備が肝心です。
また、銀行業務での経験を活かせるスキルを前面に押し出し、志望する職種にマッチングさせることが重要なポイントになります。模擬面接を重ね、本番で緊張しないよう心構えをすることも大切でしょう。
銀行員から転職した私の体験談
新しい価値観に目覚めた
転職して気づいたのは、お金だけが全てではないということです。銀行員時代は、金融商品の販売やお金に関する業務ばかりだったので、お金さえあれば何でもできると考えていました。
しかし、新しい職場では、お金以外の価値観に気づくようになりました。仕事を通じて人々を幸せにできることの喜びや、人と人とのつながりの大切さなどです。
ワークライフバランスが改善された
転職前は残業が当たり前で、家族とゆっくり過ごす時間がほとんどありませんでした。しかし、転職先では、労働時間が大幅に改善されました。
朝の始業時間の一時間前から出社する必要がなくなり、帰りもどんなに遅くても1日1時間程度の残業で済むようになりました。おかげで、自分のプライベートの時間が取れるようになり、充実した日々を送れるようになりました。
キャリアアップのチャンスが広がった
銀行員時代は年功序列が強く、なかなか出世できる見込みがありませんでした。しかし、転職先の企業では実力主義が徹底されており、頑張れば昇進・昇給できるチャンスが得られます。
自分の能力を最大限に発揮できる環境があり、やりがいを持ってキャリアを積めることが大きな喜びです。
転職を決意した銀行員に向けたアドバイス
計画的に行動する
転職活動は、綿密な計画のもと着実に行動することが大切です。目標とする業界や企業、そして志望動機をしっかりと決めた上で、求人情報の収集や履歴書の作成、面接対策などを行いましょう。
計画的に準備を進めることで、転職活動に見通しが立ち、スムーズに就職先が決まる可能性が高まります。
自己分析を怠らない
転職する上で、自分自身の良いところ、短所、得意・不得意を冷静に分析することが不可欠です。自己分析を通じて、強みを最大限に活かせる仕事を見つけることができます。
また、課題となる部分を認識し、それを補うためのスキルアップ対策を立てることも重要なポイントです。
サポート体制を整える
転職活動は一人で行うと大変なストレスがかかります。家族や友人、転職エージェントなど、サポートしてくれる人的ネットワークを構築することで、精神的な支えになります。
転職に向けた相談をしたり、アドバイスをもらったりすることで、モチベーションを保ち続けることができるでしょう。
まとめ
以上が、銀行員を辞めることを検討する際に知っておくべき主なポイントです。
辞めるかどうかは個人の判断次第ですが、この記事が皆様の参考になれば幸いです。
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