- 基本的な職務経歴書の書き方がわからない
- 転職回数が多く、どう書けばいいかわからない
職務経歴書は過去の職歴を詳しく記入し、採用担当者にスキルや経験を伝える重要な書類です。この記事では、職務経歴書の基本的な書き方やポイントを解説します。
記事を読めば、職務経歴書の書き方がわかり、書類選考に通過する可能性が高まります。職務経歴書の書き方をマスターして、採用担当者に好印象を与え、転職活動を成功させましょう。
職務経歴書を書く前に準備すること
職務経歴書を書く前には、以下の準備が重要です。
- キャリアの棚卸しをする
- 企業の求める人物像を確認する
キャリアの棚卸しをする
過去の職歴をリストアップし、自分が過去の職場でどのような役割を果たしてきたかを明確にします。キャリアの棚卸しをするためには、以下の方法がおすすめです。
- 具体的な役割や成果を振り返る
- 取得した資格やスキルを整理する
- 自身のキャリアの強みと弱みを分析する
- 将来のキャリアビジョンを明確にする
「売上を20%増加させた」や「新規顧客を50社獲得した」などの具体的な数字を思い出し、書き出しましょう。職歴ごとに得られたスキルを確認し、技術力のレベルを明確にします。プロジェクト管理の経験がある場合には、積極的に記載しましょう。
自分がどの分野で力を発揮できるのかについて、改善が必要な点も含めて言語化します。改善点は、どのようにカバーするのかを説明できるようにしてください。将来進みたい方向性を具体的にイメージすると、職務経歴書を書く際の指針にできます。目標を明確に伝えられ、職務経歴書により一貫性を持たせることが可能です。
企業の求める人物像を確認する
求人情報や企業のホームページで、以下の内容を確認しましょう。
- 企業のミッションやバリュー
- 企業文化
- 求めるスキルや経験
- 職務内容
企業が求める人物像と自分の経験やスキルを関連付けると、より説得力のある職務経歴書を作成できます。業界のトレンドや競合他社を分析しましょう。企業が直面している課題や、期待するスキルと経験を把握できます。企業の社員のインタビュー記事から、どのような人物が採用されているかをチェックすることも有効です。
職務経歴書の書き方
職務経歴書を作成する際には、基本的な構成を守りましょう。自分の経歴やスキルを採用担当者にわかりやすく伝えます。職務経歴書に記入する項目は以下のとおりです。
- 日付・氏名
- 職務要約
- 職務経歴
- 活かせる経験・知識・スキル
- 自己PR
日付・氏名
応募先の企業が「いつ」「誰の」書類なのかを確認するために、日付と氏名を必ず記載します。フォーマットや書式に統一感を持たせることも大切です。日付には、職務経歴書を提出する日を記載します。氏名はフルネームで書きましょう。
職務要約
過去の職務内容を簡潔にまとめて記載する部分です。職歴の要点を3〜4行で記載し、強みや実績を1文で表現します。「営業職として5年間勤務し、新規顧客開拓で年間売上を20%向上させました」といった具体的な成果を述べると良いです。自分の強みや専門知識を明確に記載し、企業に対する貢献意欲をアピールしましょう。
職務経歴
過去の職務経験の詳細を時系列順に記載します。勤務期間や会社名、部署名、役職を明記し、業務内容と成果を具体的に記載しましょう。以下のように要点をまとめると、採用担当者に伝わりやすいです。
会社名:株式会社ABC(2010年4月~2015年3月)
ポジション:営業担当
仕事内容:新規顧客獲得や既存顧客フォロー、売上管理
実績:年間売上目標の120%を達成
会社名:株式会社XYZ(2015年4月~2020年3月)
ポジション:営業マネージャー
仕事内容:営業チームのマネジメントや新規事業開発、マーケティング戦略立案
実績:チーム売上前年比150%を達成
活かせる経験・知識・スキル
専門性や技術的なスキルを記載し、営業成績やプロジェクト成功事例などの具体例を加えます。採用担当者に、どのような場面で貢献できるかを伝えましょう。アピールにつながる経験や知識、スキルの具体例は以下のとおりです。
- 業務改善の経験
- プロジェクトマネジメントスキル
- チームリーダーシップ
- データ分析能力
- コミュニケーションスキル
- ITツールの活用経験(例:Excel, PowerBI)
- 業界知識(例:金融やIT、製造)
- プレゼンテーション能力
- 問題解決スキル
- 語学スキル(例:英語、中国語)
- 顧客対応経験
- セールススキル
- マーケティング戦略の立案経験
- 人材育成や研修の経験
- 新規事業の立ち上げ経験
多岐にわたるスキルと経験を活かし、企業のニーズに合わせた職務経歴書を作成しましょう。
自己PR
志望動機や将来のビジョンも含め、自分の強みや特徴をアピールします。応募先企業での活躍を想定した内容を記載すると、熱意と適性を採用担当者に伝えることが可能です。
» 志望動機の書き方の重要ポイントと正しく書くコツ
「チームワークを重視し、常に周囲と協力しながら成果を上げてきました」といった内容は、協調性をアピールできます。適応力を強調するには「業界動向を常に把握し、最新の知識と技術を取り入れる姿勢を持っています」といった内容が最適です。
» 自己PRの書き方を基本から実践的な方法まで解説!
職種別の職務経歴書の書き方
以下の職種別に職務経歴書の書き方を解説します。
- 営業系
- ITエンジニア系
- 管理・事務系
- マーケティング企画・経営系
営業系
営業職の目的は、売上を最大化することです。営業戦略の立案と実行や新規顧客の開拓、既存顧客との関係構築と維持などが主な業務です。業務をどのように進めてきたかを明確に記述します。
営業戦略の立案と実行について具体的に書きましょう。計画能力と実行力をしっかりと伝えることが大切です。新規顧客の見つけ方やアプローチ方法、契約締結のプロセスも具体的に書きます。既存顧客との関係を維持する方法や、継続的なビジネスを確保するポイントを詳しく記載してください。
チームマネジメントや市場調査、顧客ニーズの把握など、他のスキルや経験についても積極的に記載しましょう。以下の経験やスキルもアピールできます。
- プレゼンテーションと提案営業スキル
- 営業チームのマネジメント
- 市場調査と分析
- 顧客ニーズの把握と課題解決
- CRMシステムの活用
- 営業レポートの作成と分析
- セミナーやイベントの企画・運営
- 商品やサービスの知識習得・説明
- クロスセル・アップセルの提案
- 営業トレーニングと教育
ITエンジニア系
ITエンジニアの職務経歴書を書く際には、過去の職場で得られたエンジニアスキルを記載することが重要です。プロジェクトごとに使用した言語やツールを列挙し、習得レベルまで記載します。開発環境について記述し、どのような環境で仕事をしてきたかを伝えましょう。
エンジニアスキルだけでなく、チームの中で活躍した経験も重要です。技術力だけでなく、プロジェクト全体を成功に導くために欠かせません。採用担当者に好まれる経験は以下のとおりです。
- チームでの役割や協力体制
- 達成した成果や改善点
- 自己学習や資格取得の状況
- 問題解決能力やトラブルシューティングの経験
- 継続的なスキルアップのための取り組み
チームでの役割から、コミュニケーション能力やリーダーシップをアピールできます。達成した成果を定量的に示すことも効果的です。プロジェクトの納期をどれだけ短縮したか、バグを何件修正したかなどの具体的な数字を挙げると、信頼性が増します。継続的なスキルアップに取り組んでいる姿勢もアピールしましょう。
管理・事務系
管理・事務系の仕事は多岐にわたるため、自分がどのような業務を担当してきたのかを具体的に説明する必要があります。複数の業務を同時にこなす能力が求められるため、以下のような経験やスキルがあると有利です。
- プロジェクト管理の経験
- データ分析の経験
- レポート作成の経験
- 予算管理の経験
- 業務改善の提案と実行の経験
- チーム協働の経験
- 問題解決能力
- マルチタスクスキル
- コミュニケーションスキル
使用できるオフィスツールやソフトウェアも具体的に記入すると説得力が増します。
マーケティング企画・経営系
マーケティング企画や経営系の職務経歴書を作成する際には、マーケティングの専門知識や実績をアピールしましょう。企業は即戦力となる人材を求めているため、以下のような具体的なスキルや経験が重要です。
- 市場分析と戦略立案の経験
- マーケティングキャンペーンの企画・実行
- デジタルマーケティングの知識と実践
- 予算管理とROI分析
- チームマネジメントとリーダーシップ
- 顧客データ分析とターゲティング
市場の動向や競合分析により、マーケティング戦略を立てた経験が求められます。市場のニーズを的確に把握し、適切な施策を提案できる能力があることを示しましょう。マーケティングキャンペーンを企画した場合には、キャンペーンの内容や成果、達成したKPI(重要業績評価指標)を記載します。
現代のマーケティングではデジタル領域が重要です。SEO対策やSNS運用、オンライン広告などのデジタルマーケティングの手法を用いた成果を明記します。予算管理とROI分析では、予算内で最大限の効果を出すための工夫や、数値的な成果を具体的に示しましょう。
顧客データを分析し、ターゲット層を絞り込む能力も重要です。どのようにデータを活用し、どのようなターゲティング戦略を立てたか、結果がどうだったかを詳細に記載します。
職務経歴書の書き方のポイント3選
職務経歴書の書き方で押さえておきたいポイント3つは以下のとおりです。
- 採用担当者が見るポイントをおさえる
- 見やすく読みやすいレイアウトにする
- 経験や成果を具体的にアピールする
採用担当者が見るポイントをおさえる
採用担当者が注目する点を理解して記載すると、選考を通過できる可能性が高まります。重要なポイントは、以下のとおりです。
- 正確な情報
- 具体的な成果や実績の数値
- 志望動機と企業との関連性
- 求められるスキルや経験の有無
- ロジカルな読みやすい文章構成
採用担当者は、経歴の整合性を確認するため、過去の職務内容や在籍期間を調べます。文法や誤字脱字に注意し、見やすいレイアウトにしてください。売上を何パーセント向上させたかなどの具体的な成果や実績の提示も欠かせません。ロジカルな読みやすい文章を心がけましょう。
採用担当者は、あなたがなぜ企業に興味を持っているのか、どのように貢献できるのかを知りたいと思っています。企業の特徴に触れつつ、自分自身のキャリアプランとどう結びつくかを説明しましょう。応募先企業が求めるスキルや経験を、自身が持っていると積極的に伝えます。
見やすく読みやすいレイアウトにする
採用担当者が情報を読み取りやすいように、見やすく読みやすいレイアウトを意識して作成しましょう。以下のポイントを確認してください。
ポイント | 説明 |
適切なフォントとサイズを使用する | 読みやすいフォントを選ぶ(ゴシック体や明朝体など) 見出しは大きく本文は小さめにする(例: 見出し: 16pt,本文: 12pt) |
セクションごとに見出しを設ける | 各セクション(職務経歴やスキル、資格など)に見出しを設ける 見出しは太字や色分けで強調する |
箇条書きやリストで情報を整理する | 箇条書きやリストを活用して内容が一目でわかるようにする |
適度な行間と段落間隔を確保する | 行間と段落間隔を適度に空けて、視覚的に区切りをつける |
強調したい部分には太字や色を使う | 重要な情報や実績を太字や異なる色で強調する |
図表やグラフを取り入れる | 数値やデータが多い場合は、図表やグラフで視覚的に表現する |
適切な余白を設ける | ページ全体に適切な余白を設け、見やすさを確保する |
見出しと本文の階層を明確にする | 見出しと本文の階層を明確にすることで、情報を読み取りやすくする |
フォーマットを統一する | フォントやサイズ、行間など、フォーマットを統一して、読みやすく整然とした印象を与える |
ビジュアル要素を活用する | 適度にアイコンやシンボルを適度に使い、視覚的に内容がわかりやすくする |
見やすく読みやすいレイアウトにすることは、自己アピールの効果を高めるための基本です。
経験や成果を具体的にアピールする
経験や成果は、具体的にアピールしましょう。特に押さえるべきポイントは、以下のとおりです。
- 過去のプロジェクトや業務の具体例を挙げる
- 数値やデータで成果を明示する
- 役割や担当業務の詳細を記載する
- 他者のフィードバックや評価を引用する
リーダーとしてチームをまとめ、プロジェクトを予定通りに完了させた経験など、具体例を挙げましょう。採用担当者にリーダーシップやプロジェクト管理能力を伝えられます。以下にSNS広告キャンペーンを担当した際の経験や成果の例文をまとめました。
SNS広告キャンペーン担当
プロジェクト概要: 〇〇〇〇(具体的なSNSプラットフォームやキャンペーン名)の広告キャンペーンを企画・実施。目標はブランド認知度の向上とフォロワー数の増加。
実施内容: ターゲットオーディエンスを分析し、最適な広告クリエイティブとメッセージを設計。広告予算の最適化と効果的な配信スケジュールを構築。
成果: キャンペーン期間中、フォロワー数を50%増加させることに成功。〇〇〇〇(具体的なフォロワー数の変動やキャンペーン期間)を達成。
使用ツール: Facebook Ads、Instagram Ads、Google Analytics などを活用してキャンペーンのパフォーマンスをリアルタイムで分析し、改善施策を実施。
「SNS広告キャンペーンを担当し、フォロワー数を50%増加させた」などの担当業務について詳細に記載してください。スキルや経験、得意分野を明確に示せます。「社内で営業成績に関して表彰された」などの第三者からの評価もアピールしましょう。
職務経歴書の書き方でよくある質問
職務経歴書の書き方でよくある以下の質問についてまとめました。
- 転職回数が多い場合の書き方はどうすればいい?
- 職務経歴書の書き方に悩んだらどうすればいい?
転職回数が多い場合はどう書けばいい?
転職回数が多い場合には、焦点を当てるポイントを明確にすることが重要です。採用担当者にポジティブな印象を与えられるように工夫しましょう。具体的には、以下の方法が効果的です。
- 短期間の職歴をまとめる
- 重要な職歴を強調する
- 転職理由を前向きに説明する
- スキルや成果を具体的に述べる
- 同じ業界や職種に絞って記載する
- 志望動機に一貫性を持たせる
同じ業界や職種での複数の転職をまとめて記載すると、職務経歴書がスッキリと見えます。重要な職歴や成果を強調すれば、効果的なアピールにつながります。キャリアアップや新しいスキルを習得するための転職の場合には、転職理由を前向きに説明しましょう。採用担当者にポジティブな印象を与えられます。
IT業界で複数回転職している場合には、それぞれの転職で得たスキルや経験が、企業でも活かせるとアピールできます。転職回数が多いことをネガティブに捉えられないよう、学んだ内容や得たスキルを具体的に述べましょう。
»転職活動はどうやって始めるの?具体的な方法を詳しく解説
職務経歴書の書き方に悩んだらどうすればいい?
職務経歴書の書き方に悩んだときは、以下のような対処法があります。
- 職務経歴書の見本を参考にする
- キャリアコンサルタントに相談する
- 転職サイトやエージェントを利用する
- 職務経歴書作成サービスを利用する
- セミナーやワークショップに参加する
ウェブサイトや就職活動の関連書籍に載っている見本を参考にすると、書き方のヒントを得られます。キャリアのプロのアドバイスにより、職務経歴書の方向性を考え直すことも可能です。転職サイトや転職エージェントなどのサービスを利用し、最新のトレンドを学びましょう。
» 転職エージェントとは?仕組みを解説
最近では、専門家による添削やアドバイスを受けられるサービスもあります。就職活動のセミナーやワークショップでは、他の参加者と意見交換しながら学べます。自分の強みやアピールポイントが見つけられる良い機会です。
まとめ
職務経歴書の書き方は、転職活動を成功に導くための重要な要素です。キャリアを棚卸しし、企業の求める人物像を確認しましょう。職務経歴書の各項目に求められる内容を理解し、採用担当者の目にとまる品質に仕上げてください。職種別に異なるアピールポイントを押さえ、経験や成果を具体的に記載することが大切です。
採用担当者が見るポイントを意識して、見やすく読みやすいレイアウトに整えましょう。転職回数が多い場合や書き方に悩んだ場合には、紹介した対処法を試してください。効果的な職務経歴書を作成できると、自信を持って転職活動を進められます。
コメント